「短所と向き合う」ことこそが成長

三浦 基本的に他人が言うことは半分以上聞き流していいと思います。自分のためになることだけを聞けばいいんじゃないかな。僕は自分のことを客観視するようにしていました。ゲームキャラクターのパラメーターのように、自分の長所や短所を考えるんです。

 そこで注目するのは短所。短所を成長させるプロセスをずっと繰り返してきました。国際コンクールに挑戦する際、ほとんどの人は、自分に合った曲を数年かけて繰り返し挑んでいくんです。

 でも僕はそういうことをしたことがなくて。特に優勝したロン=ティボーは3時間以上の音楽を用意しないといけない中で、半分が人前で弾いたことのない曲ばかりでした。でも、成長するためだと信じてそうしていたし、今結果が出なくてもこのやり方で間違っていないと信じていました。

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――念願の国際コンクールで優勝してどんなことを感じましたか?

三浦 正直なところ達成感はあまり感じませんでした。もっと人生が変わるんじゃないかと思っていたけれど、自分の音楽が変化したわけでもなかったし、仕事のチャンスは来たけれどコンクール優勝がゴールではなかったんだと痛感しました。

 同じ演奏をしても審査員が変わっていたら、結果は全く違うものになっていたかもしれないですし、本当の自分の音楽の価値は長い時間かけて築き上げないといけない。一度の1位で自分はすごいだなんて思いたくありません。

――短所を補うことで成長の糧にされていましたが、最近克服されたことはありますか?