「死ぬまで成長したい」

三浦 理想のピアニスト像って、実はあまりないんです。自分はピアニストだけど、それが自分のアイデンティティーとは思っていません。

 でも、人間としての理想像はあります。自分の長所と短所を見つめて、死ぬまで成長し続けること。好奇心を忘れないこと。自分に嘘をつかないこと。それが理想です。

――ピアニスト三浦謙司の完成形はまだ見えないですね。

ADVERTISEMENT

三浦 見えてほしくないです(笑)。

 まだまだ短所がたくさんあるから、成長できるところがたくさんあるんですよね。死ぬまで成長したいです。

 チェロの巨匠、パブロ・カザルスは最晩年のインタビューで、「今もまだ毎日練習するのですか?」と聞かれて、「最近ちょっと上手くなった気がするんだよ」と答えたそうです。超かっこいいじゃないですか。これが音楽家としての理想像ですよね。

最初から記事を読む 「鉄の破片が刺さり、火傷もした」4歳でピアノ開始、18歳で世界最高峰の音大に…将来を嘱望された天才ピアニストが「工場勤務」になった“驚きの理由”