米国からアジアへのコンテナ貨物

 ここからは同じ航路のバックホール(帰りの航路)、米国からアジア方面(北米復航)の品目別コンテナ輸送量を見てみましょう。

 【表2】は、2022年6月に、米国からアジアに向けて輸送されているコンテナ貨物の品目別輸送量です。米国からは食品や原料、リサイクル品といった品目が多くコンテナで運ばれる傾向があります。欧州からアジア向けの品目も似通っています。また、第1章で述べたとおり、この方面の荷動きは少なく、インバランスが発生しています。

【表2】米国からアジアへの品目別輸送量(2022年6月) (データ出所:公益財団法人日本海事センター)

 第1位の輸送品目は「木材パルプ、古紙、板紙など」で、なかでも古紙の輸送量がかなりの割合を占めています。近年中国では環境規制が強化されており、選別済みの古紙が輸送されるようになっています。この古紙は運ばれた後に段ボールに再生されて、アジア諸国から輸出されるEコマースの商品などの梱包材に使われます。そのほか、第5位に「プラスチック及びその製品」があるものの、現在では廃プラスチックを運ぶことはほとんどなく、プラスチック原料が多くの割合を占めています。これらの原料はアジアで加工されて玩具や家財道具になり、ふたたび輸出されていくのです。アジア諸国に原料が運び込まれて、加工されたうえで再び諸外国に輸送される流れが見て取れます。

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 第8位の「鉄鋼」には鉄スクラップが多く含まれており、台湾や韓国、ベトナムなどで電炉による製鉄に用いられています。第16位の「天然又は養殖の真珠、貴石、半貴石、貴金属及び貴金属を張つた金属並びにこれらの製品」や、第18位の「銅及びその製品」にも、貴金属類のスクラップが含まれており、金属や貴金属を取り出した後に再利用されます。これらの品目はあまり目立ちませんが、コンテナ貨物の中ではかなり価値の高い品目です。

米国からアジアに向けた輸送では食品類が多い

 米国からアジアに向けた輸送では食品類が多くみられます。第3位の「調製食料品、飲料、アルコール、食酢など」、第6位の「肉及び食用のくず肉、酪農品、魚介類など」を含め、食品類の輸送はコンテナ輸送の主力となっています。第2位の「野菜、穀物、果実、採油用種子、茶など」のなかには、序章で取り上げた大豆や飼料用の牧草が含まれていますが、バナナなどの果物や、スーパーで売られている冷凍食品やコンビニなどで売っている唐揚げや鶏肉、牛丼チェーンで使う牛肉などもコンテナを使って輸送されています。そのほか、日本に輸入されるワインは、高級ワインやボージョレ・ヌーヴォー用のものを除くと大半が海上コンテナで運ばれています。

写真はイメージ ©︎AFLO

 原料となる品目としては、先述した「プラスチック及びその製品」が挙げられます。「繊維類及びその製品」には綿が多く含まれており、同じ品目名でもアジアからの貨物とは内容がだいぶ異なります。そのほか、第13位の「塩、硫黄、土石類、石灰及びセメントなど」や第14位の「無機化学品及び貴金属、希土類金属」、第17位の「ゴム及びその製品」や第19位の「有機化学品」も原料に該当します。「木材」も米中貿易摩擦のあおりを受けて米国からの輸出量が少なくなっているものの、アジアに輸出されて家具を作るのに用いられています。