山口 そうだね。そのあとはヤーレンズさんも来てくれました。

零士 楢原さんは、僕たちが準決勝で敗退したときに握手したのを見て、泣きながら「お前らの握手で泣いちゃったわ」って言ってくれたんですよ。

――その握手にはどういう思いが詰まってたんですか?

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零士 決勝戦には行けなかったけど、準決勝に行ったのすら初めてだったし、今日のネタの出来は良かったよね、すごいよね僕らっていう気持ちでしたね。

山口 感謝の気持ちもあったし。あとは、敗者復活戦で勝ち上がれるだろうって思ってました。見とけよって。

零士 発表直後は負けた感が強かったけど、一瞬で、準決勝でできなかったネタを敗者復活戦でできるの最高じゃんって気持ちになりましたね。

漫才中の2人

 もちろん勝てたら嬉しいけど、「勝ちたい」気持ちを「面白いネタを見せたい」って気持ちが上回ったときにお客さんに伝わるのかもしれないなっていうのは、ラストイヤーで初めて知ったことですね。

「勝ち逃げじゃない?」みたいなラストイヤー

――決勝の舞台では緊張されましたか?

零士 あっという間すぎて、全然しなかったんです。

山口 流れに身を任せていたらすぐでした。笑神籤で「敗者復活」って出たときに、零士が「よっしゃー!」って言って、あえて違う方向に行って場を和ませてましたね。

零士 いや、ミスっただけ! 気合い入れてせり上がりのところに行こうと思ったら、「そっち違います」って。全国放送で恥かいたのよ。

山口 せり上がりのところに行ってからも、どうやって出るのかずっと説明受けてたんですよ。それで気がついたらせり上がってて。

©細田忠/文藝春秋

零士 敗者復活組は時間がないからそんな感じだったんです。メイクもされなくて、出番が終わってモニター見たら、自分のヒゲの青さにびっくりしたんだから。でも緊張するよりよかったかな。

山口 みんな優しく笑ってくれてて。

零士 決勝の舞台、優しかったっすね。

――点数が表示されるときはどんな気持ちで見守ってましたか?

零士 別に何点でもいいよって思っちゃってました。審査員の先輩たちにも見てもらって、目指してきた舞台で自分らが面白いと思える漫才ができたから、点数が気にならなかったんですよね。

 でも蓋開けてみたら、みなさんがいいこと言ってくれて、僕らっていいこと言ってもらえるコンビなんだって思いました。ただ、暫定ボックスにいるときは、ほかの芸人のネタは正直何にも入ってこなかったです。ウケてるな、ぐらいは分かったんですけど、ずっと自分たちのことばっか考えてましたね。