そしてコロナ禍を経て、「今度はやるなら自分で店を持って、身に付けた技を披露してみたい」と考えるようになったという。

 店の厨房はすごくコンパクトに出来あがっている。

店の厨房はすごくコンパクト

 奥からフライヤー、丼もの用IHコンロ、水回り、茹麺機、ガスコンロが2口という具合だ。「小さいならそれなりにワンオペでできるように考えてセットした」というからさすがである。

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新橋の「そば田」のかき揚げを彷彿させる「かき揚げ天ざるそば」

 そんな話を聞いていたら、もう一杯食べたくなった。「かき揚げ天ざるそば」を注文した。すると今度は仕込み済みのかき揚げの具材のタマネギ、人参、長めにカットしたネギなどをどろに混ぜたものをかき揚げリングに流し込み、同じ要領でフライヤーで揚げ始めた。冷たいそばの茹で時間は2分30秒。茹であがったそばを流水で洗い、氷水でギンギンに冷やして、せいろに盛って、かき揚げをのせて完成である。

「かき揚げ天ざるそば」を注文

 冷たいそばをまずひとくち。これはよい。細めでシャキッとしたコシが素晴らしい。辛つゆも上品な出来栄えである。そして、かき揚げはみた途端、新橋の「そば田」のそれを彷彿させる姿である。

 新橋の「そば田」のかき揚げを彷彿させる姿

 かじるとサクッと口の中に広がる野菜と油の甘みと香ばしい味がたまらない。とにかく村山店主の作る天ぷらはとても軽い。これは天丼で食べてもうまいに違いない。あっという間に食べてしまった。

 そうこうしているうちに時間は12時を過ぎてきた。年配の夫婦や4人のオフィスワーカーなどが入店してセットメニューなどを注文していく。すると村山店主はそばの温かい冷たいなどをていねいに聞いて、また手際よく作っていく。