2/6ページ目
この記事を1ページ目から読む
「朝鮮人差別発言の謝罪」を要求
午前9時50分、金の要求に従い、静岡新聞の大石記者とNHKの村上記者が金と会見した。ここでの金の要求は、警察が稲川一家幹部の曽我幸男らの社会における実態を公表することと、先ほど出した要求と同じ内容の清水署の小泉刑事が朝鮮人差別発言をしたことについて謝罪することの2つであった。
この会見の際、金は両記者に「遺書」と称する日記帳を手渡している。その内容は〈清水署の小泉! 返礼するときがついにやって来たようだ。俺は自分の言葉に代えてお前の取った態度に答えてやろう〉〈13歳くらいからどれだけ清水署にいたみつけられて来たことか知れない。俺はあのひでい刑事等のつらを想うと血がにえたぎってくる。今は家も妻も総て失い、敢えてそうなった俺は死があるのみだ〉というものだった。
正午過ぎ、人質のうち2人が隙を見て脱出。その後、金は2度にわたりダイナマイトを1本ずつ爆発させ、さらに空に向けて10発を乱射したり、畳をかさねて防御壁を作るなどした他、部屋の壁に〈罪のない家族に迷惑をかけて申し訳ない。死んで罪を償う〉〈お母さん、不幸を許してください〉と墨で書き記した。
一方、警察側も説得工作にマスコミを利用し、15時、NHKニュースで清水署長が次のように訴えかける。