「そう言われても2人で会ったのは4、5回です。時間にしたら全部で10時間くらいなのに、相手の何がわかるんだって話ですよ。僕としてはもっと女性のことを深く知ってから結婚するかどうかを決めたかった。でも深く知るためには、成婚退会するしかなかったんです」
武井さんの言う「深く知る」とは、性的な関係を指す。言い方を変えれば、相手と「男女の仲」になるためには成婚退会するしかなかった。
「清い関係」のまま結婚を決める?
結婚相談所では、仮交際や真剣交際の期間に会員同士が性的関係を結ぶことが禁じられている。一緒にホテルに入ったり、宿泊を伴うデートをしたりするのも禁止、それが大方のルールで、違反した場合は退会させられる。たとえば最大手の結婚相談所であるIBJは、会員に次のようなルールを課している。
ルール上、結婚婚約またはそれらと同等の成果(「結婚の口約束」「宿泊」「宿泊をともなう旅行」「婚前交渉」「同棲」「交際期間を延長し、通算6ヵ月を経過した場合(交際期間は原則3ヵ月)」など)は、「成婚」とみなします。トラブルを避けるため、交際期間中の旅行や婚前交渉は禁止です。(IBJ「お見合いと交際のルール&マナー」より引用)
いわば「清い関係」のまま相手と結婚するか否かを決断し、仮に結婚しようと決めたら先んじて成婚料を支払い成婚退会する。あとは当事者間の自由で、二人がどうなろうと結婚相談所は関与しない。前述のようにすでに退会しているからだ。
またIBJでは「交際期間は原則3ヵ月」とも規定され、「通算6ヵ月を経過した場合」にも「成婚」とみなされ退会する。要はできるだけ短期間に結婚を具体化しなくてはならない。
「僕の場合、プロポーズするとか、婚約指輪を渡すとか、そういうことを経て成婚退会したわけじゃないんです。共働きが希望、できれば子どもがほしい、そんな程度の話しかしませんでした。それも一種の結婚の意思とみなされても仕方ないかもしれないけど、結婚相談所のルール的に結論を急かされた感は否めませんね」
前述のように3ヵ月間の真剣交際を経て成婚退会した武井さんは、相手を深く知る、今後は性的な関係を持ってより親密になりたいと考えた。といっていきなりホテルに誘うというのも躊躇する。女性のほうは同居する両親に成婚退会を報告したと知らされ、ひとまず先方の実家に挨拶に出向いた。ところがそこで思いがけない出来事があった。