強姦事件は認めたが⋯

 検察は3件の連続不審死事件のうち、陽子さんや理恵さんが強姦された現場の近くで白骨死体となって発見され、被害者の下着の股間部分から比嘉のDNAが検出された上、穿いていたタイツにも比嘉の車のシートと同じ繊維が付着していたという物証がある富田愛さん(同22)の事件を立件し、強姦致死罪で追起訴した。被害者は左あごを骨折させられる暴行を受けていた。

 比嘉は強姦事件については認めたが、強姦致死事件については「私は関係していないし、私が知っていることは何もありません」と主張した。弁護人も「科捜研のDNA鑑定は16点ある確認点のうち、14点しか一致していない。被告人を犯人とするには合理的な疑問が残る」と反論したが、科捜研の担当者は「たとえ14点でも、一致するのは8716億人に1人。DNAは被告人のもので間違いない」とバッサリ斬って捨てた。被害者の両親らは「何の罪もない娘を殺した被告人は、いくつもの犯罪を犯したとんでもない男。私たちが望むのは極刑のみだ」とコメントした。

 裁判所は「被告人が女性を死亡させた犯人だと推認できる」と比嘉の主張を退けた上で、「別の強姦致傷等で8年も服役しながら、出所後、短期間に不特定多数の女性を無差別に襲った。犯罪傾向は極めて根深く、非常に長期間の矯正教育が必要だ」と断罪し、求刑通り無期懲役を言い渡した。

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 比嘉はこの判決が確定し、妻とも離婚して刑務所に服役したが、これで終わりではなかった。

 6年後、もう1人の不審死事件の被害者である安達紗奈さん(同20)の事件についても、比嘉が関与した疑いが強まったとして、殺人容疑で再逮捕された。

 紗奈さんは出勤途中に突如行方不明になり、約3カ月後に車が乗り捨てられていた現場近くの小川で一部白骨化した状態で見つかった。