2026年2月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト3をお送りします。健康・医療部門の第1位は――。
▼第1位 毎日1万歩のウォーキングは必要なかった…最新研究でわかった「健康寿命を伸ばす歩数」の最適解
▼第2位 「カロリー制限」「ジム通い」よりダイエット効果あり…医師が「確実に体重を落とす」と話す唯一無二の方法
▼第3位 茶碗一杯の白米の糖質は角砂糖17.8個分…医師「世の中に出回っている理想の献立では糖質過多になる」
健康で長生きするためには、どんな工夫をしたほうがいいか。大阪公立大学病院がんセンター長の川口知哉教授は「昔から『運動は薬である』と言われているが、それは医学的にも証明されている。激しい運動をしなくとも、少し歩き、少し鍛える程度の運動ができればがん死亡リスクは低下する」という――。(第3回)
※本稿は、川口知哉『「がん活」のすすめ 科学と名言でつくる「がんを寄せつけない習慣」』(ブルーバックス)の一部を再編集したものです。
「運動は薬」は医学の常識
運動が健康によいことは誰もが知っている。しかし、「どのくらい」「どのように」運動すればよいのかが科学的に示されるようになったのは、意外にも最近のことである。
その最初の突破口となったのが、1940年代にイギリスの医師ジェレミー・モリスが行った研究であった。ロンドンの2階建てバスにおいて、座りっぱなしの運転手と、立って階段を上り下りする車掌を比べたところ、車掌のほうが心臓病の発症率が明らかに低かった。運動の有無が心臓発作に直結することを、初めて数値で示した画期的な報告だった。
適度の運動は、健康を生み、育て、長もちさせる。
――アリストテレス
現代のエビデンスによって裏づけられたこの言葉は、まさにアリストテレスの先見の明を感じさせる。いまでは「運動は薬である(Exercise is Medicine)」という言葉は、国際的に広まりつつある。歩くこと、階段を上ること、呼吸を意識しながら体を動かすこと、それらの小さな積み重ねが、細胞の老化を防ぎ、脳を活性化し、人生の質を高めてくれる。
