不審に感じる家族のもとに、1週間後の7月30日、今度は「大友旅子」と名乗る人物から〈遊覧船で厄介になりました。あなたの彼によろしく〉という礼状と現金2万円が送られてきた。
さらに同日、突然、大場が実家を訪ね、大学院で教えている者だと名乗ったうえで、旅行に出かけたという彼女のことを「まだ帰りませんか?」と尋ねてきた。両親は娘のことを案じる優しい人物に思えたが、手紙を出したのも、実家を訪れたのも全て大場の偽装工作だった。
不倫相手との関係を断ち切るために⋯
7月20日、彼女が会うと言っていた人物は大場で、その日の午後、2人は新宿で落ち合った。出かけた先は過去数回、逢引に利用したことのある八王子鑓水にある細入教授の別荘で、ここで大場は関係を断ち切るため、彼女の首を絞めて殺害。
遺体を2千600坪ある別荘空き地の土中に埋める。同日23時、以前から不倫関係を相談するなど懇意にしていた10歳上の大学の同僚女性Aさんを池袋の喫茶店に呼び出し、17時~21時まで一緒にいたことにしてくれるようアリバイを依頼。
このとき大場は「ケリをつけた。キミの想像以上の方法だよ」と殺害をほのめかす言葉を口にしたそうだ。さすがに怖くなったAさんは翌日、大場とも親しい同僚男性のK助教授に相談。話を聞いたKさんは同じく大学の仲間であるM助教授を自宅に呼び、大場の行動について話し合う。この日、大場は細入教授が主催する囲碁同好会の集まりに参加するため、熱海に出かけていた。
23日午後、熱海から戻った大場をKさんとMさんが問い詰め自首を勧める。対して大場は「やっちゃったものは仕方ない」と悪びれた様子もなく殺害を認めたうえで「残った者がどう上手くやっていくか相談しよう」と宣い、死体の遺棄場所だけは明かさなかった。