遺書に残された言葉

 9月2日、大場は家族とともに千代田区内幸町の帝国ホテルに宿泊した後、3日15時20分に静岡県下田市の下田東急ホテルにチェックイン。下田は大場が妻と新婚旅行で訪れた思い出の地だった。

 4日朝、ホテルを出た一家は夕方、伊豆半島石廊崎の奥石廊崎展望台付近まで足を運び、近くの崖から20メートル下に身投げする。

 釣り人が展望台下の海岸で4人の遺体を発見するのは翌6日の朝。崖の上には缶ジュース4本と〈親子4人で心中したので、ご迷惑ですがお届けよろしくお願いします〉と書かれた遺書が残されており、最後に大場の名前と自宅マンションのある豊島区南長崎の住所が記されていた。

ADVERTISEMENT

 大場は助教授仲間にも、こんな遺書を残していた。

〈(妻には)事実については最初から全て話しておりました。以来彼女には死ぬことだけしか念頭になかった。今はただ彼女の気持ちだけを最後には尊重してやりたいという気持ちだけが強いようです〉

 こうして、大場は家族を道連れにこの世から消え去ったが、心中により教え子の殺害が発覚、大場が生前、遺体の隠し場所を決して周囲に漏らしていなかったことも明らかとなる。実際、警察はなかなか見つけられず、捜索範囲の特定にも難航した。