ヤマハ:ジョグ
「ゴールデンタイムを駆け抜けた、元祖ハイパワースクーター」
初代ジョグは、スクーターに「スポーツ走行」の概念を持ち込んだ。軽量ボディに強力なエンジンを搭載し、テレビCMがゴールデンタイムに流れるほどの大ヒットを記録した。
「ディオが優等生なら、ジョグはどこか不良の匂いがする天才肌。フロントを浮かせて加速するような、じゃじゃ馬っぷりが若者を熱狂させました」(呉尾氏)
現在でもこの時代のジョグをレストアして乗るファンは多く、スクーター文化の黄金期を作った一台として欠かせない。
ファッション・ライフスタイル系
単なる移動手段を「自己表現のツール」へと昇華させ、若者文化と密接にリンクした懐かしの名車たち。
ホンダ:ズーマー
「剥き出しの個性が火をつけた、アウトドア系原付の完成形」
2001年発売。カウルを全て取り払い、太いフレームを露出させたデザインが若者のファッションアイテムとして受け入れられた。
「4ストロークの大人しいエンジンながら、この『骨』だけのデザインがカスタム心をくすぐり、シートの下にスケートボードを突っ込んで走る若者が続出しました。原チャリを『自分らしく使い倒す』という文化を定着させた一台です」(呉尾氏)
現在、最終型の低走行車は40万円を優に超える高値がついている。
ヤマハ:ビーノ
「おしゃれスクーターの代名詞。PUFFYから出川にまで愛された一台」
レトロブームの中で登場し、PUFFYを起用したCMで女性層にも爆発的に普及した。
「ベスパのようなイタリアンデザインを、国産の信頼性で手軽に楽しむコンセプトが完璧だった。近年もテレビ番組『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』で電動版が使用されるなど、原チャリが『速さ』から『ファッション』へとシフトした象徴的なモデルです」(呉尾氏)
ホンダ:モトコンポ
「シティのトランクに載せて。漫画から現実へと飛び出したアイディア」
ホンダの小型車「シティ」のトランクに収まるサイズとして開発された。ハンドルもシートも四角い箱の中に収納できる姿は、まさに未来のガジェットだった。
呉尾氏によれば「発売当時はそこまで売れなかったけれど、漫画『逮捕しちゃうぞ』に登場してから人気が爆発。今や世界中にコレクターがいる」という。
走行性能こそ控えめだが、その愛くるしいルックスは、40年以上経った今でも色褪せることがない。



