プレミアム・高騰車系
実用車の枠を超え、歴史的価値や希少性から、もはや投資対象に近い扱いを受ける最高峰の名車群。
ホンダ:スーパーディオZX
「ヤンチャな若者の正装。ハイマウントストップランプの輝き」
1990年代、若者の間で圧倒的な支持を得たディオのハイエンドモデル、通称「ゼッペケ」。車体後部の高い位置で光る、ハイマウントストップランプが最大のアイコンであった。
「当時はこれをさらに『ケツ上げ』(=後輪の車高を上げるカスタム)して乗るのが流行りました。紫色のカラーリングや金色のキャストホイールなど、とにかくゴージャスでヤンチャな仕様。程度の良い個体に100万円以上の値がつくこともありますが、それはこのバイクがある世代にとっての青春の象徴だからでしょう」(呉尾氏)
ホンダ:ドリーム50
「50ccに宿った精密機械の美。唯一無二のDOHCエンジン」
1997年に発売されたドリーム50は、まさにホンダの執念が生んだ「走る宝石」だ。50ccでありながら、通常は大排気量車に採用される複雑なDOHC機構を搭載した。
呉尾氏は「このバイクは速さを競うものではなく、カムギアトレインの音や精密なメカニズムのロマンを愛でるもの。1960年代の伝説的レーサーCR110を彷彿とさせるシルエットは、眺めるだけで満足できる究極の趣味車です」と絶賛する。
ホンダ:NSR50
「ミニバイクレースの覇者。当時の定価の5倍で取引される最強マシン」
「エヌゴ」の愛称で親しまれた、ミニバイクレース界の絶対強者。12インチホイールのコンパクトな車体に、クラス最強の2ストエンジンを搭載。数多くのGPレーサーがこのバイクで腕を磨いた。
呉尾氏は「もはやバイクというより競技用機材。峠でもサーキットでも負けなしでした。生産終了後は価値が上がり続け、当時の定価を遥かに超える100万円オーバーで取引されることも珍しくない」と、その神格化された現状を指摘する。
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王道から激レア車まで、昭和・平成を彩った原チャリの名車たちはいずれも、単なるスペック表では語り切れない「時代の熱狂」を宿していた。
後編では、メーカーが「正気か?」と思わせるほどの奇想天外な発想で生み出した名作・問題作が続々と登場する。
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