そんな沢尻を監督の行定勲は、《俳優は立場上、どうしても受け身になってしまうものですが、彼女には人任せにしないところがある。それは、自己主張をするということではなく、全体をきちんと見渡して行動するということ。そういう意味で、彼女は女優ではあるけれど、むしろクリエイターに近い視点をもっているんだと感じました》と評している(『THE21』2007年10月号)。
実際、彼女はカメラが回っていないときでもずっと気を抜くことなくテンションを維持しながら、スタッフの動きをよく見ており、スタッフのほうもそんな彼女の様子を見ることで、信頼関係が生まれてきたという。沢尻はまた、撮影がひと区切りついたときにクッキーを焼いて持参したり、クランクアップを迎えるとシャンパンを開けて祝ったりと、スタッフをねぎらうことを忘れず、監督を感激させている。
大バッシングされた「別に」発言の真相
そんなふうにスタッフとよい関係を築きながら完成させた映画にもかかわらず、このあと沢尻はそれが無に帰すような行動をとってしまう。公開前日、PRのためゲスト出演したテレビの生番組では、司会の中山秀征と目も合わないまま、いくら話を振られてもまともに応えようとせず、スタジオの空気を凍りつかせる。公開初日の舞台挨拶でも終始不機嫌で、大勢のファンが集まるなか、司会者から何を訊かれても「別に……」「特にないです」としか話さなかった。これを各メディアが一斉にとりあげると批判が続出する。
なぜ、あのような態度をとってしまったのか? 後年、当時を振り返って、次のように告白している。
