ミラノ・コルティナ・オリンピックのフィギュアスケート女子シングルス/団体で金メダルを獲得し、世界的なスーパースターとなったアリサ・リュウ(20)が、アイスショー『スターズ・オン・アイス』出演のため来日中だ。彼女は、米国内ではどのようにみられてきたのか。関心を集めた、その“ユニークな生い立ち”とは——。在米ライターの堂本かおる氏が寄稿した。(全2回の1回目/続きを読む)

アリサ・リュウ ©JMPA

◆◆◆

世界中が目を見張ったフィギュアスケーター

 アリサ・リュウは、類まれな存在だ。オリンピックでの演技はスケート・ファンのみならず、普段はスケートを見ない層まで魅了してしまった。

ADVERTISEMENT

 なぜなら、アリサは何かが違う。満面の笑顔。弾力的な演技。ジャンプ。回転力。1970年代のディスコミュージック。"ヘイロー"と呼ばれる金髪と茶色に染めわけた髪。前歯に光る"スマイル・ピアス"。何よりオリンピックという大舞台であることを微塵も感じさせないリラックス、エンジョイのオーラ。世界中が、まさに目を見張った。

ミラノ五輪フリープログラムでのアリサ・リュウの演技 ©JMPA

 アリサは瞬く間にファッション・リーダーにもなった。リンクの外ではフィギュアスケーターではなく、スノーボーダーに間違われることもあるバギー(ブカブカ)なファッションがトレードマークだ。雑誌 「Teen Vogue」のグラビア撮影は、そんな今時Z世代であるアリサの魅力を余すところなく伝えた。パリ・ファッションウィークでのルイ・ヴィトンのファッションショーには、同ブランドのジーンズジャケットで現れた。数あるイベントの合間を縫い、ローリングストーン誌を含むいくつものインタビュー、トークショー『The Tonight Show』出演もこなし、オリンピック後のアリサは多忙を極めた。

 そして、4月上旬からはアンバー・グレン、坂本花織、三浦璃来&木原龍一ペアなど、そうそうたるフィギュアスケーターたちと共に『スターズ・オン・アイス』の日米ツアー中だ。

2025年の来日の際には、日本のコンビニを楽しむ様子をSNSに投稿(アリサ・リュウのインスタグラムより)

 こうした華々しいスポットライトを浴びると同時に、アリサは「13歳でフィギュアの神童、16歳で引退、18歳で奇跡のカムバック、20歳で金メダル」「父は中国からの政治亡命者」「匿名の卵子提供により代理母から生まれた」と、そのユニークなバックグラウンドと経歴も盛んに報じられた。

 アリサ・リュウとは一体、何者なのか?