高級魚尽くしの定食を550円で提供しているにもかかわらず、お客が来ないと嘆くお店がSNSで大バズりしていた。写真の定食は天然のヒラマサやマダイ、脂の乗ったアジのお刺身や焼き魚など、都内では数切れのお刺身でさえワンコインじゃ食べられない、とれたての魚を使った料理がこれでもかと並べられている。

反響を呼んだSNSの投稿画像。「これで550円はバグ」「狂ってる」というリアクションが寄せられた

 写真は定食全体を俯瞰で撮影したシンプルな構図ながらも、その収まりきらないボリュームが海鮮好きでなくとも、たまらなく刺さる。それでもお客が“0”のときもあると落胆するオーナーのため息が多くの共感を生んでいた。

 なぜ人が来ないのか。そもそも550円で提供して赤字にならないのだろうか? 謎に包まれた魅惑の海鮮定食も一度食べてみたい。お店の所在地である長崎県に向かおう。

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話題のお店は長崎県新上五島町に

 漁獲高全国3位の漁場に恵まれた長崎県。話題のお店は本土からさらに船で渡った先にある五島列島の一つ中通島で営まれている。

上五島の実景

 民宿を経営しており、定食は宿泊者の夕食(宿泊代に+550円)として提供されているそうだ。

 ちょうど長崎の沖合にある軍艦島で取材をする予定があったため、取材後そのまま五島まで行ってしまおうと段取りを組んだ。

 軍艦島での釣りを通じて長崎の歴史に触れたあと、長崎港ターミナルから九州商船に乗って約90分、有川港へ到着 (*1)。

*1 2025年8月25日より長崎港ターミナルから有川港のルートは無期限休止中。現在は長崎港から奈良尾港へ向かうか、佐世保港から有川港へ向かうルートが一般的だ

 渡島手段が海路しかないため、ターミナルがある有川、青方、奈良尾が上五島では最も栄えた街になる。お目当ての宿「焦がれ香」のチェックインは15時から。まだ時間があったので、周辺の堤防で釣りをして時間を潰すことにした。