続いてサワラの西京焼きをいただく。
ブリのようにサイズによって名前が変わる魚で、30cmだとサゴシと呼ばれる。サゴシサイズでも身に芳醇な香りをまとい、焼いても硬くならないふわっとした高級魚サワラの片鱗をみせる。
西京焼きにして甘辛いみその旨味を加えることで、サイズによる脂の少なさをカバーしているように感じる。小アジを丁寧にさばいて自家製の甘辛いタレに浸した竜田揚げも美味い。箸が止まらない。箸を休める暇がない!
イセエビのお味噌汁は1杯のために頭の出汁を全出力しているため、エビ特有の濃厚な旨味がきいて贅沢な一品だ。イセエビはたまたま入荷できたそうで、運がよかったみたいだ。全ての品において仕入れ状況で内容が変わるため、料理は当日までお楽しみなところが魅力でもある。
明日はどんな料理がでてくるのだろうか? 予定がなければ、この定食目当てに連泊したいほどだ。
格安で食事が提供できる“意外な理由”
世の中の流れはインバウンドブームで観光地の宿泊や食事代は値上がりするばかり。そんななかでも真逆の激安定食を提供しているのは、五島まで渡島するハードルの高さが関係しているという。
「私が島に来て魚を食べたとき本当に美味しいと感じたので、島の魚を皆さんにも食べてもらいたいという思いで民宿を始めました。しかしいざ始めてみると上五島に来るハードルがすごく高いことに気づきました。島に来るだけでも時間とお金がかかるわけだからせめて島では美味しいものをお手軽な価格で楽しんでもらいたいと思い、550円という他ではありえないインパクトのある価格で提供しています」(根田さん)
さらに上五島は交通の利便性が良いとはいえないため、島内にあるお店は観光客向けよりも内需に寄せて、海鮮より島人が食べたい料理を提供するお店が多いという。とはいえ、観光で上五島を訪れる人ももちろんいる。そういった理由で観光客向けの宿をオープンしたともいう。
それにしても原価がいくら安いとしても赤字にならないのだろうか。一番の疑問を尋ねてみた。




