ふらっと始めた釣りでまさかの釣果が

 有川から国道384号線を南下し、10分ほどで青方港へ到着。

 時化から街を守るように大きく延びた堤防は全長250mにも及ぶが、釣り人は私を含めてたった3人だけ。まさにガラ空き状態。

どこでも釣り放題だ

 釣りの聖地とも呼ばれる五島だが、空路における直行便がないため、沖縄や鹿児島の離島に比べて島外から観光客が訪れにくい。

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 実際に首都圏から上五島に向かうには長崎空港か福岡空港へ向かい、バス、フェリーと乗り継ぐため、どうしても半日は要する。1泊2日のスケジュールでは往復で終わるため最低でも2泊はほしい。ゆえに人が殺到せず、釣り場が守られているわけだ。それでは遠慮なく先端で竿を出させていただこう。

 牡蠣を餌にかぶせ釣りをしたところ、小型のイシダイが毎投あたるほど活性が高い。海の豊かさが感じられる。首都圏民からすれば釣り人より魚が多いってだけでも“聖地”なのだ。

のんびりした釣り場でも油断は禁物…

 油断していると、得体のしれない大物をばらしてしまった……。

手のひらサイズのイシダイ
短時間で晩ごはんのおかずぶんはゲットできた

 が、イシダイにメジナ、空針を小魚だと勘違いして喰らいついてきたうっかりカンパチが釣れるなど、ふらっと立ち寄った堤防の釣果としては十分であった。

焦がれ香にチェックイン

 有川へ戻り、国道から脇道へ入ると、車1台がやっと通れる細い道へ抜ける。迷路のような住宅街を進み、ナビが案内を終えると、そこには古風な平屋が佇んでいた。外壁にはポップな字体で「焦がれ香」と書かれている。すぐに目的地だとわかった。

焦がれ香

 中へ入るとオーナーの根田さんが出迎えてくれた。古風な外観とは異なり、インテリアは洋風モダンにあしらわれ、カフェスペースが併設されている。

ランチはカフェを営業しているそうだ

 実はオーナーの根田さんの本職は漫画家なのだとか。その傍ら五島に移り住み、民宿とカフェを営む異色の経歴だ。壁には漫画やイラストがところせましと飾られており、根田さんの漫画愛があふれている。

漫画家さんのサインも飾っている

 宿には他にもコワーキングスペースや漫画コーナーもあり、室内でも充実して過ごせる環境が整っている。それをほぼ一人で経営しているのだから驚きだ。

 1日2組限定で宿泊できて(素泊まりは4400円)、話題の550円定食は食事付きプランで予約した宿泊者のみいただくことができる。夕食付きで約5000円。いまどき素泊まりでも探すのが難しい。にもかかわらず、この日の予約は平日ともあり私一人だけだ。お客様が来ないSNSでの嘆き投稿が現実味を帯びてきた。先にお風呂に入り、夕食を待つ。