あえて「非効率を残す」点が強みに

 また、珈琲館のホットケーキは、専用の銅板を使ってサッと焼き上げるのが特徴だ。一般的に銅板の熱伝導は鉄の5倍、アルミの2倍とも言われている。外はカリッ、中はフワッとした食感にホットケーキを仕上げるなら、やはり銅板を使うに限る。

季節限定の「苺のホットケーキ~まろやか苺ミルククリーム~」(筆者撮影)

 しかし、こうした設備を導入しているチェーンは少ない。注文数がそう多くはないホットケーキのために、コストのかかる業務用銅板はなかなか導入できないからだ。そのため、多くのチェーンでは業務用の冷凍生地をよく使っているが、解凍の過程で「フワッ」とは別次元の、ムニムニとしたベタつきが残ってしまう。

 セルフではなくフルサービスで商品を席までサーブするのもそうだし、こういった企業視点では合理化したくなるような部分をあえて残し、他店と差別化しているのが珈琲館の強みだ。

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珈琲館のホットコーヒー。注文を取りに来るフルサービス仕様で居心地が良い(筆者撮影)

 客席を見渡すと、ビジネス街ならではのオフィスワーカーの姿はもちろん、かなりの常連と思しきお客さんの姿も目立つ。珈琲館の佇まいは、カフェチェーンというよりも「純喫茶」のようだ。

クリエ・ベローチェもフードに強み

 純喫茶然とした珈琲館とは異なり、クリエとベローチェは、スタバ・ドトールと同じようなカフェチェーンで、そこまで大きな特徴がないように見えるが、よく見るとコロワイドが目を付けた理由が浮かび上がってくるだろう。

 クリエ・ベローチェの共通点として、100~300円台ほどの店内製造サンドイッチが充実している点が挙げられる。ランチタイム前にはレジ横のショーケース一杯に商品が並び、モーニングも通常のトーストだけでなく、フォカッチャやホットサンドなどがあり、選択肢は非常に豊富だ。

ベローチェのレジ横に並ぶサンドイッチとパン。こういった「チョイ足し」メニューが充実しているのは大きな特徴だ(筆者撮影)

 しかもこれらのサンドイッチは毎朝店内で製造しているという。手間がかかるのはもちろん、フォカッチャ・全粒粉パンは酸化の速さから在庫管理も地味に大変だ。ただ、この手間によって「コーヒーだけのお客さんがプラスでサンドイッチ」「たまにはトーストよりワンランク上のモーニングを」といったフードの単価向上が生じ、売上を支えていると言える。