強豪たちとの交流で耳にした「トレーニング」

 この頃から歴戦のフードファイターたちと交流を深めるようになり、その中で耳にするようになったのが「トレーニング」だ。トレーニングによって胃の容量を広げて大会本番に臨む——。それがフードファイターたちの戦い方である。

 しかし、駆け出しだった白田は、どんなトレーニングをすれば良いのかはわからない。もちろん、ライバルたちが教えてくれるはずもなかった。

「だから安易な考えですけど、いっぱい食べて胃を膨らませたら良いのかな、と。食べて鍛えるということですね。いろいろなものを食べるときもありますし、水分メインでトレーニングすることもあります。

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 これって結構人によって違うんですよね。胃の柔軟性と言いますか、すぐ元に戻る人もいますし、水だけで広がりやすい人もいる。

 胃が『ここまで広がる』と記憶しているから、水をたくさん飲めばすぐに容量が広がる、という。ただ、僕の場合は結構広がりにくくて、数か月かけてトレーニングするタイプでした」

 

胃袋の容量が4~5kgまで広がるならもう超人

 ……などと説明されても、これまた凡百の胃袋の持ち主では、“胃を広げる”ということは少々理解しにくいところがある。たくさん食べたり飲んだりするだけで、そんなに簡単に胃は大きくなるものなのか。というか、そもそも一般的な胃袋の容量ってどれくらいなのか。

「大容量の人でも1.8kgくらいらしいですね。普通の人ならどんなに頑張っても3kgを超えることはそうそうないと思います。だから4~5kgまで広がるならもう超人です」

 そんな中、白田の胃袋は10kgを超えるまでに広がったという。というか、それくらいでなければフードバトルの優勝は狙えない。

「8.5kgくらいまではわりとスッといくんです。でも、そこから10kgまで持っていくところにちょっとした壁があって。なんとか10kgまで広がったら、そこからは割とすぐに11kgぐらいまで。あとはもう最終調整という感じですね。胃の容量が11kgあったら、もうほぼほぼ勝てますよ」

 白田によれば、胃の容量が10kgあっても水分なども加わるため、食べ物が入るのはいいところ8kg程度だとか。などといっても、つまりは食べ物が8kg胃の中に収まるということである。これまたなかなか想像しにくい超人たちの世界。