医者から「本当に大食いの人?」と疑われ…

 フードファイターには慢性胃拡張で常に胃が広がっている状態の人が多いという。トレーニングを繰り返してきた結果なのか、生まれついたものなのかはわからない。ただ、白田の場合、レントゲン写真を撮影してみると、トレーニングをしていない通常時の胃袋はほとんど通常の人と同じくらいだったという。

「医者からは『この人、本当に大食いの人?』って言われました。だから同じフードファイターでも千差万別。それでも僕はこの体だから、ベースとしてたくさん食べるんだろうなという感じじゃないですか。

 だけど、女性のフードファイターで身長150cm、普段の体重は40kg台というような選手だって、大会に出れば8kg食べる。そういう子は、食べたときのお腹の出方が尋常じゃないですね。もしかすると、女性の方が内臓が柔らかいのかもしれません」

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 白田の場合はお腹だけではなく、背中がポコッと膨らむのが特徴なのだとか。いったいどういうメカニズム?

「たくさん食べると胃が膨らむじゃないですか。そうすると、他の臓器をどんどん背中側に追いやるんです。体の中でパズルのように臓器が動いて、背骨の脇からはみ出してくる。大会の後は、みんなどこかしら膨らんだ状態ですよ」

 10kgほどの食べ物を体に入れて、お腹や背中がぽっこり膨らんだフードファイターたちが、激戦の疲れを癒やす楽屋風景。一度見てみたいような、ちょっと恐いような。

この世界は“3流止まり”では意味がない

 2007年に引退し、いまでは“食べられない大食いキャラ”になっているとはいえ、これまで食べてきた量は人並み以上。とうぜん体にも負荷がかかっているはずだ。ところが、健康診断の結果は「特に何もない、超健康体」なのだとか。

「食べたものが全部体に吸収されているわけではないですからね。そういえば、家族もよく食べる。特にオヤジがすごい酒飲みなんです。それこそ常人ではないくらい肝臓が強くて、めちゃめちゃ飲んでも次の日にはけろっとして仕事に行く。

 僕も同じで、酒にも強いんですよね。そういう受け継いだ内臓的な強さが、たぶんあるんだと思います」

 

 現在のジャイアント白田は、女の子の父親でもある。“内臓の強さ”は子どもにも受け継がれているのだろうか。

「子どももよく食べますね。あまり言うと怒られるんですけど(笑)。子どもがフードファイターになると言ったら……とりあえずは反対します。

 大事なのは、トップになれるかどうか、なんですよね。もしも3流止まりにしかなれないような感じだったら、あまりやる意味がない。

 体に負荷を掛けて3流のフードファイターだったら、人よりちょっと食べられるくらいですからね」

 どんな世界でも、その道でトップに立つのは容易ではない。並外れた胃袋と内臓の強さ、そしてその胃袋をさらに広げる不断の努力。一時代を築いたフードファイター・ジャイアント白田は、その生き様もやはり“ジャイアント”なのである。

最初から記事を読む 「ずっと胃の調子が悪くて、病院に行ったら…」ジャイアント白田が振り返る、フードバトル全盛期のシビアな裏側《引退から19年》

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