眠れないんだったら、寝なきゃいい。潔く寝るのをあきらめて

――連載を通して最も思い出す一品はなんですか?

笠原 いろいろあるから一つに絞れないけど、ほらあの、一目惚れをして眠れない夜は…。

――豚バラ肉を煮よう、ですね。

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笠原 眠れないんだったら、寝なきゃいい。もう潔く寝るのをあきらめてください。その時間を使って、料理をしたらいいんです。豚の角煮なら、まず最初はかたまり肉のまま茹でることになるでしょ。そのあと煮る時間だけでも45分かかるし、焼いたりなんだりするから、トータルで2時間から3時間くらい。煮ている間は、火加減を見ながら本を読んだり、スクワットしたり、なにかしないともったいない。

――最後のオチが、できあがった角煮を一目惚れの相手に鍋ごとプレゼントしようって。

笠原 これはね、味をしっかりつけてるから、ちゃんと冷蔵庫に入れておけば、3~4日は日持ちします。冷めたら冷蔵庫に入れる。あったかいうちに入れちゃだめですよ、痛んじゃうからね。

 

――連載には入れられなかったけれど、これも紹介してみたかったという一品はありますか?

笠原 なんだろう、いっぱいレパートリーあるから。焼き鳥屋の息子としては鶏の唐揚げはつくりたかったけど、チューリップ唐揚げは紹介したから。クリスマスの時期に。

――心残りはないですか?

笠原 ないですよ。俺がお題に対して答えを考えてるわけだから、これつくってくれあれつくってくれっていう依頼じゃなかったから、それはないです。むしろお題によって、自分もこんな料理思いついたっていうのもあるし。さっきも話したけど、「『冥土の土産』が食べ物だとしたら」とかさ。こっちもストーリーをすごく考えてさ。面白かったです。

 

撮影 志水隆/文藝春秋

次の記事に続く 飲食店のオーダーミスに「いいよ、もうつくっちゃったんだからもらうよ」…焼き鳥店の息子として育った和食料理人・笠原将弘(53)と亡き父との思い出

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