「お父ちゃんは、私の太ももに何かを押し当て…」両親の離婚後に始まった父からの性暴力

 殴る蹴るだけの暴力では終わらなかった。

 美千代さんが夜中におねしょをすると、母はもう絶対布団に入れず着替えも出さず、裸で放置するのだが、すると、父が決まって自分の布団でくるんでくれた。温めてくれている、と思っていたが、身体の撫で回し方に違和感が残った。

 やがて、父母は離婚。母は、3歳になる美千代さんの妹を連れて、あとで呼び寄せるからと言い残し家を出ていった。始まった父との3人暮らしでは、何日も食べるものがない日もあった。暴力はここで、完全にタガが外れた。父は、8歳の美千代さんに覆いかぶさるようになった。

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「お父ちゃんは、私の太ももにべちゃべちゃ、唾をつけて何かを押し当ててはいた。こう、私の上にかぶさって、なんか腕立て伏せをしてる」

 実父による性暴力。

10歳頃の藤岡さん(本人提供)

泣きながら「悪かった、許してくれ」と…その後、47歳で父が自死

 育児放棄といっていい境遇におかれた美千代さんは、この時期は低学力で、フルモトミチヨ、自分の名前しか書けず、小学校5年生となっても時計の文字盤が読めなかった。授業の内容、先生の話も理解できず、給食の食べ方さえもわからない状態だった。

 妻が去ったあとの石松さんはいつも酔って赤黒い顔をし、布団の中で糞尿を垂れ流すまでになっていった。親権を持っていた父との3人暮らしの間、小さな兄と妹はほとんど飢餓状態のまま暮らした。

 半年後、ようやく調停離婚が成立。市営住宅を借りて生活を再建した母の元へ2人は引き取られたが、父が姿を現しては母に追い払われる日々が続いた。だがある日、酒の臭いのしない父が来た。

「悪かった、許してくれ」

 泣きながら美千代さんの頭をなでる触り方には、慈しみがあった。

 直後、父は自殺した。47歳であった。

次の記事に続く 「夜になると、兄が布団に…」「首絞められたり、殴られたり」父の死後も続いた家族からの“虐待”…「戦争トラウマ」当事者家族の67歳女性が語る“暴力の連鎖”

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