口論後に襲撃…真っ赤な手のひらの跡と車で走り去る謎の女

 そのときミセス・アーノルドは、歩道に立っている栗色の髪の10代らしき少女に気づいた。たしかに変な感じがしたので、彼女はカースティンを家の中に招き入れた。カースティンは自宅に電話したが、両親はまだ帰宅していなかった。そこで、家まで車で送ろうと言ってくれたミスター・アーノルドの申し出を受けた。2人は午後9時40分ごろに出発した。

 3マイル(約5キロメートル)先にあるカースティンの自宅をめざして運転するあいだ、アーノルドはオレンジのピントが少し距離をあけて明らかについてきているのに気づいた。

 彼はカースティンのほうを見て、単刀直入に尋ねた。

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「君といっしょにいたのはあの子?」

 カースティンはそうだと答え、でもとくに問題はないので大丈夫です、と請けあってから冷静に話題を変え、学校や友人の話を始めた。

 自宅に到着すると、両親がまだ帰ってきていないことにカースティンは気づいた。隣の家のところで待ちます、と彼女はアーノルドに言い、彼も、君が無事に家に入るところを確認するまで見守るよ、と告げた。ところがその直後、女性が隣人宅の前庭の芝地を突っきって、玄関ポーチに立っているカースティンに近づくのが、助手席側の窓越しに見えた。

 アーノルドは2人が口論する声を聞き、カースティンが地面に倒れるのを見た。悲鳴も聞こえた。少しして、車まわしを走ってきた襲撃者がピントに飛び乗るとカーブを曲がり、急なUターンをして猛スピードで走り去った。

 そのあと起きたことは複数の人々が目撃していたが、話の多くは混乱の極みだった。あちこちで玄関ポーチの灯りがつき、騒ぎを聞きつけた隣人たちが外に出てきた。カースティンは立ちあがって、大声で助けを求めながらよろよろとアーノルドの車の横を歩いていった。体を支えるために血まみれの手をついた車のトランクには、真っ赤な手のひらの跡がはっきりとついていた。

 アーノルドは走り去るフォード・ピントをしばらく追いかけたが、思い直して犯行現場に引き返し、カースティンの様子を確認しなければと思った。すると救急隊員がカースティンを救急車に急いで運びこむのが目に入った。警官の姿が見えたので、自分がしばらく追跡したピントのことや、カースティンが話していた奇妙な友人のことを伝えた。