15歳の少女が惨殺された事件。捜査線上に浮かび上がったのは、被害者の友人で同じ高校に通う16歳の少女だった。しかし、彼女は捜査での嘘発見器の検査をあっさりパスしていた。

 少女はなぜ嘘発見器に引っかからなかったのか、どのような経緯で殺害を自白したのか、そして動機とは……。ここではアン・W・バージェス氏他の『怪物の顔 快楽殺人者のプロファイル』(大和書房)の一部を抜粋して紹介する。

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“ボビーズ”の入会者は自分の社会的立場のほうを大事にする

「プロファイルに話を戻そう」

 ウォーカー(注:新たに行動科学課に配属されたプロファイラー)がギアを入れ換えた。

「無秩序型の殺人だという点ではみんなが同意した。また、加害者は中途退学かもしれないが高校には行っていて、かつて学生だった、あるいは卒業したばかりだが、犯行時にはまだ同じ一帯に住んでいたのかもしれない。“ボビーズ”の入会者は、知能は平均以上でも、勉強より自分の社会的立場のほうを大事にするので、成績は並程度かもしれない。

 犯行当時、加害者はあの地域に住んでいたか、職場があったか、どちらかだろう。また、ボビーズの一員だとすれば、まわりと交流することはできたはずだが、経済状況のせいでカーストの低層に所属していたと思われ、これもまた、リアルな友だちを作ろうと必死になる理由の一つだろう。そして、それが遊び半分でドラッグやアルコールを楽しむことにもつながっている。これは不安やカースト低層での抑圧を紛らわせる意味もある。

 年齢的に言って、犯罪歴はないと考えていいだろう。あったとしても麻薬がらみの軽罪くらいじゃないかな」

「だいたいそんなところだろうな」

車内での大喧嘩の理由は…

 レスラー(注:FBI行動科学課の特別捜査官)が言った。

「だが俺としては、2人が車内で2人きりで過ごしていたあいだに何があったのか、もっとはっきりさせたい。あんな暴力沙汰に発展したんだから、2人は相当な大喧嘩をしたはずだ」

「ドラッグかもしれない」

 ダグラス(注:FBI行動科学課の特別捜査官)が再度指摘する。

「犯行後の行動についてざっと確認しないか?」

 ヘイゼルウッド(注:FBIの管理官)が言った。