若者や女性がストリップにハマるワケ

群馬県立女子大学教授(美学・舞踊学)で、『現代ストリップ入門』の著作がある武藤大祐さん(51)がストリップ劇場に通い始めたのは、コロナ禍だった2021年のことだ。ゼミ生から、何度も見に行っていると聞いて興味を持ったのがきっかけだった。実際に劇場を訪れると、独特な雰囲気と踊り子のパフォーマンスに魅了され、全国の劇場を回るようになった。

「東京やその周辺の劇場では、見始めた当初と比べても、若い観客が増えていると思います。明らかに20代だよねという人が、一人で見に来ていたりする。立ち見する空間さえ探すのに苦労する日も珍しくありません」

そうした現象は、劇場が減少する中で、営業中の場所に訪れる人が集中することで起きている側面もある。しかし、武藤さんは「若者や女性などのファンが増えていることは間違いない」と言う。その理由として武藤さんは、以下の3点を挙げた。

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消費ではなく共感の対象として

第一は新型コロナ禍だ。演劇やライブが軒並み中止される中、政府の持続化給付金の対象外とされたストリップ劇場は営業を継続せざるを得なかった。「人との接触が危険とされていた時代に、目の前に他人の裸がある。その強烈さがあった」(武藤さん)。

ライブやコンサートに通っていた人々の一部が「生のある空間」を求めてストリップ劇場に流れ込んできたと考えられるという。

第二は「ライブ体験」への渇望だ。音楽産業でCDなどの音源の売り上げが落ち込む一方、ライブの動員数は長年にわたって増え続けてきた。スマートフォンの普及とコンテンツのデジタル化が進む中で「生身の人間と同じ空間にいること」の価値が逆説的に高まっている。

「踊り子が小さな空間で客と向き合うストリップは、究極のライブだと思います。知らない観客同士が気軽に交流する、打ち解けた空気も楽しい」(同)

そして第三は、性や体に対する関心の変化だ。単なる性的イメージならインターネットでいくらでも手に入る一方で、ジェンダーやセクシャリティをめぐる認識が深まり、かつてとは「裸」のもつ意味合いが違っている。