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山肌をゆっくりと登っていく
ここから先は、山肌にへばりつくようにしてゆっくり坂を登ってゆく。
左手を見れば、眼下には児島湾。なんだか大きなモーター音が聞こえてきたと思ったら、児島競艇場があった。
児島競艇場は1952年にできたというから、下津井電鉄、また瀬戸大橋の歴史を見守ってきたということになる。かつて、下津井電鉄に乗って鉄火場を訪れた人たちもいたのだろう。
ちょうど競艇場の真上あたりに位置するのが、琴海駅だ。それを過ぎるとS字カーブを繰り返しながら右に曲がってゆき、木々の生い茂る“緑のトンネル”の中を抜ける。
瀬戸大橋線と一体となって瀬戸内海を渡る高速道路の下を潜れば、鷲羽山ハイキングの拠点になっていて、公衆トイレも整備されている鷲羽山駅の跡だ。そこから5分ほど西には東下津井駅の跡もある。
このあたり、南を見れば塩飽諸島の島々を経由しながら四国を目指す瀬戸大橋が大パノラマ。瀬戸大橋の手前には下津井の港町が広がっていた。
下津井電鉄線が廃止になったことで、下津井は鉄道の通らない町になった。いわば、昔ながらの小さな漁村。
しかし、かつては児島半島どころか備前一帯、いや瀬戸内海の中でも指折りの港町だった。





