廃線跡は「風の道」になっていた

 というのも、廃線跡はほとんどそっくりそのまま「風の道」と名付けられた遊歩道になっているのだ。

 最近の廃線跡は、町の中に消えたりその反対に廃止時のままほったらかされたり、というケースはめったにない。線路の幅からして道路に転用するにはちょっと狭く、かといって使い道があるわけでもなし。そこで遊歩道やサイクリングロードになることが多いのだ。

 

 だから廃線跡歩きが簡単になったとも言えるし、探して見つける楽しみがなくなったとも言える。まあ、どちらにしても贅沢な悩みなのかもしれない。

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 それはともかく、児島駅を抜けてそのまま廃線跡の遊歩道を南に向かって歩いてゆく。下津井電鉄バスの車庫を横目に、しばらくは児島の市街地の中。両脇には生活道路が通っていて、道沿いは住宅地だ。

 

 少し離れたところにはスーパーやドラッグストアの看板が見える。大きな通りに面して大きな駐車場を備える、クルマ社会に適応した商業施設。

 対して、廃線跡の周りはクルマがすれ違うのもやっとじゃないかという細い道も多い。クルマが普及する前と後。ふたつの時代が交錯する、ローカル線の廃線跡だ。

 廃線跡はレールこそさすがに撤去されているが、架線柱はところどころに残されている。さび付いた鉄柱が、ここが廃線跡であることを教えてくれる数少ない手がかりと言ったところか。

 

 こちらは最初からわかった上で歩いているが、架線柱がなければここが廃線跡だと気がつかない人もいるのかもしれない。