睡眠時間の正確な把握は難しい
健康でいるためには毎日最低4時間の睡眠が必要そうなことはわかりました。では実際のところ、何時間眠れていれば、安心できるのでしょうか?
最新のデータでは、20歳以上の人は、1日7~9時間寝ることが推奨されています。しかし、睡眠時間を“正確に”把握することは、実は非常に難しいのです。
食事の時間なら「12時30分に昼を食べた」と言えます。しかし睡眠は無意識の状態ですから、布団に入った時刻はわかっても、実際に眠りに落ちた正確な時刻はわかりません。夜中に目が覚めても、時計を見るとは限らないし、見ても覚えていないことが多くあります。
最近は、睡眠アプリで睡眠を把握できるようになってきましたが、これはあくまでスマホやウエアラブルデバイスの加速度センサーによる推定であり、正確な睡眠ステージの判定はできません。ですので、睡眠時間5時間20分などの数字に一喜一憂するのは、あまり生産的ではないのです。
「ベッドや布団にいる時間」を意識する
だからこそ私が産業医として着目してきたのは、「床上時間」――ベッドや布団にいる時間です。眠れていたかどうかよりも、まず、ベッドにいた時間が何時間だったかを意識することが大切だと考えます。
床上時間と睡眠の関係は、以下の4パターンに分類できます。
1.床上時間が短くて、眠れていない
2.床上時間は短いが、眠れている
3.床上時間が長いが、眠れていない
4.床上時間が長く、眠れている
パターン1「床上時間が短くて、眠れていない」は最も危険な状態です。
週に半分以上「床上時間が短くて眠れていない」という自覚があるときは、医療機関を受診した方がいいと思います。受診する科の選び方については、眠れていない原因に不安、ストレス、悩みなどの心当たりがある場合は、精神科や心療内科を受診するのがいいでしょう。原因に心当たりがない場合は、睡眠外来や近所の内科がいいと思います。