見る者全てを圧倒する石の壁が次々と
鞴峠まで引き返し、天守方面へ。すると目の前に現れるのが中太鼓櫓跡の高石垣だ。
こちらは下太鼓の丸のそれと異なり、几帳面にきっちり。自然石をそれほど加工しない野面積だが、隙間を丁寧に間詰石で塞いでいる。さらに進んでゆくと、いよいよ樹間から何かが見えてきた。大手門だ。
大手門の脇には、三の丸東側の石垣。一直線に伸びる高石垣も迫力があるが、階段状に伸びる石垣も負けていない。近くに寄って見上げると、よりそのインパクトを感じられる。
ここから上まで、一体何十mの落差があるのだろうか。しかもその横に目をやると、天然の岩盤が剥き出しになった断崖絶壁がそびえている。天然岩に高石垣が一体化した、ワイルドさと美麗さを併せ持つ唯一無二の姿だ。
なぜそんなものを石垣で???
高石垣の方に目を奪われがちだが、大手門の食違いぶりもなかなかだ。石垣の間を折れながら登ってゆくと、今度は屏風のように広がる石垣が目の前に立ちはだかる。
二重三重どころか、五重の防御壁が立ちはだかっている。ここだけで比高は10m以上あるのでは? 迂回するようにカーブしながら登ってゆく。途中は横移動が長く、石垣上から狙い放題だ。
五重の石垣を突破すると二の丸。一画に石で組まれたアナボコのような構造物があり、石の標には「雪隠」とあった。往時は板塀や屋根で覆われていたのだろうか。それにしても総石垣のトイレとはぜいたくだ。
二の丸からは見晴らしもいい。前山からよりもさらに100m近く登っているため、眺望はさらに開けていた。








