ブームが来ては去り、新しいラーメンが生まれ続けてきたラーメン界。だが、25年間全国を食べ歩いてきたラーメンライター・井手隊長によると、ここへきて「ネタ切れ」が起きていると言う。
そんな中で、昔からある“昭和スタイル”のラーメンが若者の人気を集めているのはなぜか。井手隊長の著書『ラーメンビジネス 麺好きから評論家まで楽しく読めるラーメンの教養』(クロスメディア・パブリッシング)より、ラーメン界の“レトロブーム”に迫る。
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ラーメンのブームは今「お疲れモード」?
この仕事をしているとよく聞かれるのが「今年のラーメンのトレンドは何ですか」という質問だ。これほどまでに毎年のようにトレンドが移り変わる食べ物というのは他にあるのか。私が25年間食べ歩いてきた中でもいろいろなラーメンブームが来て、定着したり消えていったりしてきた。ラーメンブームというのはどのように生まれるのだろうか。
私が食べ歩いてきた時代の中では、とあるラーメン店が大ブレイクしたのちに同じような味の系統のお店が激増するというパターンが多い。中野の「青葉」がブレイクした後には「動物系+魚介」のダブルスープのお店が一気に増えたし、川越の「頑者」がブレイクした後には「六厘舎」「TETSU」「つじ田」「とみ田」など濃厚豚骨魚介つけ麺のスター店が一世を風靡し、濃厚つけ麺ブームが訪れた。
だいたいのブームの流れでいうと、お店が激増し、その後ブームが去って、その多くは閉店し、一部の美味しい人気店だけが残っていく。オープンから1~2年はメディアでも取り上げられ、一見客も多く訪れるが、その後いわゆる「新店」でなくなってからは実力でお客を集め続けるしかない。こういったお店は、メディアで話題になっている間に常連客やリピーターを頑張って獲得し続けてきた。長く続いているお店には本当に敬意しかない。
ラーメン界は常に進化し続け、新しいラーメンが生まれ続けているが、たまにブームにおいても「お疲れモード」になることがある。「お疲れモード」というとネガティブな表現に聞こえるが、「新しいものを生む」ということに対しての「お疲れモード」という意味だ。
