ついに女性の身柄を拘束

 モンタージュ写真を手に太田の行方を必死に追いかけていた警察に有力な情報がもたらされるのは、事件発覚から2週間が経過した3月8日のこと。新宿のホテルから、新聞に載った写真にそっくりな女性が住み込みの従業員として働いていたとの連絡が入ったのだ。

 旅館の話によれば「西野つや子」と名乗るその女性は事件前年の1950年末から働き始め、2月13日に突然、姿を消したという。

 警察は女性が口にした名前が偽名である可能性が高いとわかったうえ念のため調べた結果、それが本名で、静岡県田方郡西豆村(現・伊豆市)に実家があることを突き止める。

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 そして親族から彼女が立ち寄りそうな場所を聞き出し、3月10日に義兄の働く東京・永田町の工事飯場の宿舎にいた西野(同23歳)の身柄を拘束。

 このとき、山口は新聞社の取材で不在だったため、常連客に面通しさせ太田成子に間違いないとの証言を得る。

 逮捕された西野の供述は以下のとおりである。