真犯人の正体

 親戚の男が訪ねて来たような事実はないとも述べた彼女の証言に信憑性を覚えた警察は同じ10日に、山口を強盗殺人の容疑で築地署に連行。

 改めて尋問したところ、山口は「明日、何もかも正直にお話します。少し休ませてください。すいません」とだけ口にし、翌11日午前5時半ごろ、留置中の独房にて隠し持っていた青酸カリで服毒自殺を遂げる。

 このため、犯行の詳細や動機については解明されなかったものの、後の調べで山口の衣服や部屋から被害者の血痕が発見され、犯行は山口によるものと断定に至る。

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 動機については、実家は裕福だったものの、山口は女性関係が派手で、地元の21歳女性に大金を貢いでいたことが判明。

 最初から金目当てで八宝亭で働き、真面目な好青年を装ったうえで犯行に及んだものと推定した。

 もっとも、初動捜査で血痕などの物的証拠を見つけていたら解決に時間はかからなかったと、築地署には多くの非難が寄せられた。