しばらくして送られてきたのは、立派な寺の写真と、決定的な一文だった。

 ネットで拾った画像だろう。今ならすぐわかる。だが当時の私には、それが後光の差す風景に見えた。

「寺院の祈祷所で、愛子は三つの平安符を求めました。一つは伯父さんのために、もう一つはお父さんのために、そしてもう一つは髙倉さんのためにです❤‌❤‌❤あなた達はすべて私の最も親しい人で、この平安符があなた達の平安を加護することを望みます🙏🙏🙏」

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 会ったこともない三十歳以上も年下の女が、私のために祈り、お守りを手に入れた。その事実は、孤独な老人の心に静かに染みた。私はこの時、最初の鎖を、自ら喜んで首に巻いたのだ。

「兄さん」と呼ばれた男

 お守りの一件で、私の心はほとんど丸裸になっていた。彼女は、その隙を見逃さない。たたみかけるように、次の罠を仕掛けてきた。

「いいえ、私たちはまだ会ったことがありませんが、最近の交流の中で、愛子は髙倉さんから今までにない親切を感じています。まるで私たちの前の世代が家族だったかのようで🤗🤗愛子は小さい時から兄さんがいませんでしたが、髙倉さんは愛子の兄さんになってもいいですか?」

「兄さん」。

 その言葉は、私の中の男の自尊心を揺さぶった。頼られたい。守ってやりたい。眠っていた感情が腹の底から湧き上がった。

 私は、もう冷静ではいられなかった。その証拠に、浅ましい返信をしている。

「お兄さんですか? ありがたい限りです。願わくば、お兄さん以上の存在になりたいものです。欲張りでしょうが」

 私は、彼女の「同志」になりたかった。人生を共にするパートナーに。その欲望こそが、彼女にとって扱いやすい手綱となった。

 彼女は私の欲望を見透かし、絶妙な一言を返す。