それは日本人に限らず、韓国人や諸外国から来た練習生も同様である。長いケースでは10年近く、少なくとも3年程度は、歌やダンス、語学を徹底的に叩き込まれる。事務所が大手であるほど、スカウトやオーディション合格からデビューまでの時間は長くなる傾向にある。

 韓国にはBTSのジョングクらを輩出した「ソウル公演芸術高等学校」やSEVENTEENのウジの出身校「ハンリム芸能芸術高等学校」といった、アーティストやクリエイターを目指す学生のための高等学校がある。しかし、アイドルを目指す練習生が、いわゆる一般的な学生生活を送るのは難しい。日本出身のK-POPアイドルの中には、中学時代に韓国へ渡った者も少なくない。

 ゆえに、BLACKPINKのジェニーや、TWICEのジヒョ、SHINeeのテミンなど「普通のスクールライフに憧れる」と話すスターも多い。青春のすべてを捧げたとしても、世に出られるのはほんの一握りという過酷な世界だ。

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いとこは「元モー娘。」の人気メンバー

 そんな中でリクは、生まれ育った福井県の高校を卒業。K-POPアーティストとしては非常に珍しく、いわゆる「普通の学生生活」を全うしてから、海を渡った経歴の持ち主だ。この日本での学生生活が、後のK-POPアーティスト生活にも生かされているように見える。

 さらに、すでにファンには知られていることだが、彼のいとこは、かつて「モーニング娘。」の“黄金期”と“プラチナ期“を支えた人気メンバー、高橋愛である。幼い頃にモーニング娘。のコンサートを見に行ったリクは、そこで広い会場を埋め尽くす観客たちが、“親戚のお姉さん”へ熱狂的な声援を送る光景を目のあたりにした。

 ステージへの憧れが生まれ、その後K-POPにハマった姉たちの影響も受けて、自然とアイドルへの道を目指すようになっていったという。    

いとこの高橋愛と(高橋愛のインスタグラムより)

“スターの親戚”という恵まれた環境に生まれ、普通の学生生活を送り、異例ともいえる速さでデビュー。一見すると、シンデレラボーイのように見えるかもしれない。しかしその裏側でリクは、韓国の芸能人やスタッフたちも思わずうなるような職人気質と責任感を発揮、不器用ながらも誠実に、時には泥臭くもがきながら、支持を勝ち取ってきた。

「高橋愛のいとこ」という知名度がアドバンテージになるであろう日本を飛び出し、実力至上主義のK-POP界で勝負に出たことも、彼の気概と覚悟の表れだろう。