他にも、「これ以上はしなくていい」と決めたルールにはこんなものがある。

・メインに使う食材はたんぱく源+野菜の2素材、副菜は野菜1素材でいい
・炊き込みごはんの日は一汁一菜で十分
・切り干し大根やひじき煮、きんぴらごぼうといった、市販のお惣菜でも手に入る副菜は作らない(生野菜の和え物が基本)
・毎日違う料理を作らなくていい
・おいしすぎなくていい
・そもそも毎日料理しなくていい

 余計な思い込みを削ぎ落としたことで、自分や家族の心身とフラットに向き合えるようになり、私はようやく「何を作ったらいいのかわからない」という悩みからも解放された。さらに、しなくていいことを明確にしたら、相対的に「したいこと」が浮き彫りになった。

©平松市聖/文藝春秋

「ごぼうが旬だから、冷蔵庫の鶏肉とじりじり焼こう。夫の好きな粉山椒をふって、少しだけ味にアクセントをつけたいな」 

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「鯖が安いから、玉ねぎとトマト、残りのブロッコリーで白ワイン蒸しに。これで野菜がたっぷり摂れるから、今日は1品で完結させよう」 

「風邪気味の今日は、少し手間をかけておろしレンコンとささみのスープを作ろう。お肉と野菜を放り込んだ炊き込みごはんを合わせて、あとは買ってきたお惣菜でボリュームを補えば満足!!」

家庭料理の醍醐味とは

 家庭料理はずっと続いていく。だから、外食のように完璧な仕上がりなんて必要ない。食べ終わった後に、「あともう少し食べ続けていたかったな」と思えるような、やさしい味のシンプルな料理がちょうどいい。

 いつも同じような味付けになってしまっても、それが我が家の味として定着していくなら、それこそが理想の形ではないか。少し飽きてきたら、食材の種類や切り方を変えてみたり、気分や体調に合わせて薬味やスパイスを加えてみたりすればいい。

 テイクアウトだって外食だってうまく取り入れればいい。買ってきたものを自由にアレンジして、「こんなふうに食べてもおいしいね」と言い合いながら食べる楽しさもある。そんなしなやかさこそが、家庭料理本来の醍醐味なのだと私は思う。

タコ セロリ アボカド

長谷川 あかり

文藝春秋

2026年7月30日 発売

次の記事に続く 「地球最期の日に食べたいものは?」長谷川あかりを驚かせた、夫の“まさかの答え”「私の理解をはるかに超えている…」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。