「自分」が相手の戦い

「ジーラスタ」という薬の注射の影響も忘れられない。抗がん剤の治療中はがん細胞だけではなく、血液を造り出す骨髄の働きも一時的に抑制されてしまう。「ジーラスタ」には骨髄を刺激して白血球の一種である好中球をふやす効果があるのだが、注射をした後は「骨の中で血液が急ピッチで作られている感じ」の激痛が腰や背中に生じた。ある日、外出中にその痛みがピークに達し、コンビニの店内でしゃがみ込んでしまったこともある。

 それから彼女の心身をいよいよ追い詰めたのが、免疫の低下によって発症したニューモシスチス肺炎だった。2週間にわたる緊急入院を余儀なくされ、そのときはあまりの呼吸の苦しさに意識が朦朧とし、「がんで死ぬのではなく、私は肺炎で死ぬのかな」と覚悟したほどだった。

「治療中のあの戦いは、がんというよりも『自分』が相手だった気がします。もちろん、何度も弱音を吐きました。『もう嫌だ』『もう病院に行きたくない』『つらいよ、いつまでこれが続くの?』って。それでも何とか乗り越えられたのは、『抗がん剤の副作用に勝つには、まず身体を大きくしなければならない』と思い、好きなものを食べ続けて体重を増やしたことが大きかったと思っています」

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梅宮アンナさんがSNSで発信した入院中の自撮り(本人Instagramより)

 抗がん剤の副作用で身体は鉛のように重く、顔はむくみ、鏡を見るのも辛かった。それでもスマートフォンを手に取り、ときには自分の姿を撮影した。

「抗がん剤治療を受け、副作用に苦しみながら、その瞬間に何を感じ、何を考えているのかをリアルタイムで発信する人は少ないですよね。だから、どんなに体調がきつくても、『いま、どう思っているか』を伝えることにはきっと意味がある。だから、あえてメイクをして、おしゃれをして、『治療中でもこういう生き方があるんだ』と伝えたかったんです」

 それに――と彼女は続ける。

乳がん闘病のリアルタイム発信を続ける理由とは? この続きで、梅宮アンナさんがさらに語っています。約5500字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア『文藝春秋PLUS』に掲載されています(梅宮アンナ「乳がん がん家系だからこそ『標準治療』のメッセージ」)。

文藝春秋

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【乳がん】がん家系だからこそ「標準治療」のメッセージ

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出典元

文藝春秋

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