船に乗ってやってきたトラックが、到着するや関東各地に散らばって、北海道の物産を送り届ける。運んでいるのは、セコマの商品だけではないのだ。駅前からまっすぐの目抜き通りを進んだ先にあるのが大洗港。まさに、現代の大洗を象徴する町の構造なのである。
大きなフェリーを見ていると、このまま船に乗って北海道に行きたくなってしまう。が、さすがにそんな衝動的なことはできない。なんとなく後ろ髪を引かれる思いで、港を後にして内陸部に戻る。
「なぜ大洗が観光都市になったか?」の答え
先だって交差した古い商店街は、ジグザグと曲がりながらもかなり長い距離にわたって続いているようだ。実に歴史を感じさせる老舗の商店から、ちょっと小洒落たカフェの類いまで。道を行く観光客は少ないが、週末や観光シーズンともなればそれなりに賑わうのだろう。
そんな商店街のすぐ北には小高い丘がある。ただの丘ではなく磯浜古墳群と呼ばれる、つまりは古墳時代の豪族のお墓だ。川と海に囲まれたこの地には、弥生時代から人々の営みがあったという。古墳時代には、物流を握って勢力を広げ、ヤマト王権とも通じた豪族がいた。その証拠が、商店街の裏山の古墳群、というわけだ。
商店街をずっと先へと進んでゆくと、途切れたところで巨大な鳥居が見えてくる。
大洗磯前神社の大鳥居だ。鳥居を潜った先には、ホテルや飲食店などが建ち並ぶ。観光都市・大洗の本拠地はこのあたり、ということだろうか。

