罪をなすりつけるために女は…
麻衣としてはもうこれ以上、遺体と関わりたくなかった。佐藤に1人で遺棄させるためには、どうしたらいいのかばかり考えていた。結局、麻衣は協力せず、死体遺棄は佐藤が1人でやることになった。
朝方に戻って来て麻衣と合流すると、ドライブレコーダーのデータを消すように言われた。さらにスマホを取り上げられて、これまでのLINEのやり取りをすべて消去された。
「私のこと、守ってくれるんだよね。全部1人でやったことにしてくれるんだよね。もし捕まったら、結婚しないで出所を待っててあげる。面会にも行くし、獄中結婚だってできるし」
そんなことを言って佐藤をその気にさせ、「麻衣は何も知らなかったことにしよう。オレが1人で殺害し、キャッシュカードを渡して、金を下ろさせたことにしよう。麻衣は現場の家の中に入っていないことにしよう」などと言って同意した。
2人は逮捕後も打ち合わせ通り、佐藤が麻衣をかばっていたが、麻衣は起訴される直前になって「自分も関与していた」と犯行を認めた。行きつけだったホストクラブには1億円ほど注ぎ込んでおり、「自分はやりすぎていた。異常だった」と公判で述べた。
「ホストクラブに行かなければ、この事件も起こさなかった。夜の仕事は嫌なことが多いから、ラクにならないくせに行っちゃうんです。あまり理解できないと思うけど、依存症のようなもので、それがないと私は生きていけなかった。
お金を使うと『ありがとう』って言われるけど、それが嬉しいというのとはちょっと違う。楽しいからというのは全然ない。細客なら楽しめると思うけど、太客になるとそうしないといけなくなる。エースって1人だけだから」
麻衣が遺族に書いた謝罪文は受け取りを拒否されたが、その内容を弁護人が読み上げた。