その後、任務がなければ部屋で自由に過ごせる。手に覚えさせるために、銃器やロケットランチャーを何度も解体して素早く組み立てるという反復作業を続けた。
ロシア語の勉強も不可欠だった。ピャトナシュカ旅団は外国人義勇兵が多いとはいえ、戦場で用いる言語はロシア語のみだ。命令を聞き逃せば、大変な事態に陥る。言語の習得は意識の差が如実に現れるところで、外国人兵士同士でつるむと英語で会話をしてしまいがちだ。ロシア語の習得が遅れるから、僕はあえて外国人義勇兵とは距離を置いた。
西側のメディアでは滅多に報道されていない事実の一つとして、ロシア軍には世界各国から義勇兵が参加している。ウクライナを支援するイギリスやドイツ、ポーランド出身の義勇兵や、世界各国の紛争に参戦する傭兵のコロンビア人やセルビア人もピャトナシュカ旅団に所属していた。同じアジア系なら中国や韓国の義勇兵もいた。驚きかもしれないが、自国と戦うことになるウクライナ人や、アメリカ人の兵士まで所属していた。
ロシア軍に入隊する「外国人の心理」
外国人が義勇兵としてロシア軍に入隊した理由はさまざまで、「ロシアのために」との強い意志を持った兵士も沢山いる。
「アメリカとNATOが許せないから」
そう答えた義勇兵も大勢いた。
西側諸国から義勇兵になった兵士は国に背いて参戦している。僕もそうだが、生半可な気持ちでないのは確かだ。特にポーランドは大統領も国民もロシアを完全に敵視している。だからこそ、ロシア軍に参戦する外国人義勇兵は「母国に帰るつもりはない」と、退路を断って戦う義勇兵も少なくなかった。
なかには、「お金のため」と断言する兵士もいた。ロシアの外国人義勇兵の給与は24万ルーブル。日本円で40万円程度だ。ウズベキスタン人や中国人は「お金を稼げるから」との理由が大半を占めた。