ドローン攻撃で亡くなったと仲間の一人が伝えにきた。僕が基地に着いてから約1ヵ月が過ぎた、2023年9月のことだ。
詳しくは第5章で述べるが、現在の戦闘はドローン攻撃が主流だ。大げさではなく、戦地では空を埋め尽くすほどのドローンの大軍が飛び交っている。だが当時は、激戦地だったドネツク州でもまだそれほどドローンは飛んでいなかった。まさに黎明期で、ドローン攻撃への対処法は手探りの状況だった。
僕らの友情は本物だった
ニカは休暇を利用して意中の女性とデートに行っていたが、基地に戻ってきた直後の出撃で亡くなった。ほんのわずかな時間しかニカとは一緒にいられなかったが、僕らの友情は本物だった。
「サムライは名誉ある狙撃兵に選ばれたんだから、トリガーを引く指に相手の死を意味する死神のような骨のタトゥーを入れて欲しい」
ニカは生前、僕にそう言っていた。その言葉を遺言と受け止め、僕は両手に骨のタトゥーを入れた。
ニカの死を聞いたとき、心の底から虚しさと悲しさ、そして生まれて初めて顔から血の気が引く喪失感を覚えた。
親友が戦地で死んだ。だからこそ、敵を殺すことへの罪悪感もなくなってしまう。
戦争とはそれほど酷いものである。
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