きっとこの職場は自分に合っていない

「体が拒否しているのかもしれませんね」

 2度目の休職中、診察室で精神科医にそう言われたとき、妙に納得してしまった。

 仕事に行く前、朝、目覚めた瞬間に胸の奥が重く沈むあの感じは、理屈では説明できない。きっとこの職場は自分に合っていないということなのだろう。

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 それでも、やめるという選択肢を考えると足がすくむ。

 やめてしまえば楽になる。少なくともこの重苦しい朝からは解放されるだろう。

 だが同時に、安定した収入も、保障された身分も、公務員という世間体もすべてを失う。先の見えない不安がその先に広がっている。

 その点、休職という制度は救いだ。完全には離れず、かといって働かなくてもよい。福利厚生も整っているので、収入は少なくなるものの生活はなんとか維持できる。だからこそ、中途半端に留まり続けることができてしまう。

 復職して、また調子を崩して、再び休む――そんな循環に入ってしまう人の気持ちが今ならよくわかる。

「まだやれる。またがんばろう」「もう無理だ。早くやめたほうがいい」

 その2つの声が、頭の中で交互にささやく。どちらもそれらしく聞こえるから厄介だ。

 結局のところ、やめるという決断のほうが大きな勇気を必要とするのだろう。

 3カ月の休職を経て、私は再び職場に復帰することになった。

 2回目の復帰後、私の中で働き方についての考えは大きく変わった。以前のように、目の前の仕事に全力で没頭することはできない。いや、できないのではなく、してはいけないのだと、どこかで自分に言い聞かせている。

 復帰する前、精神科医からはこんなアドバイスをもらった。

「1週間をマラソンだと考えてみてください。マラソンのスタートから全力疾走するランナーはいません。まずスタートは様子見です。中盤から終盤まで、まだまだ長い距離を走らないといけないのですから。自分の体調と相談しながら、月曜から金曜まで休まず働けるように、1週間を見通して体調管理しながら働いてみてください」

 その言葉をきっかけに、私は働き方を見直した。とにかく1週間を途切れさせずに走り切ることを最優先にする。