「給料もこんだけだよ、できる?」「一番下からやれる?」と言われて…
――“学歴”がどうこうとかも言わず?
斎藤 「更生したいんです」と話したら、「ほんとにやる気があるんだったらいいんだけど、すぐ辞められちゃったら困るから。給料もこんだけだよ、できる?」と言われたので「できます」と。
「家は貸してあげるけど、ほんとにボロボロだよ。いい?」「君がどこまでの地位にいたのか知らないけど、ここで一番下からやれる?」とも言われて、「やります」と。
――給料はいかほど。
斎藤 手取りで14万円でしたね。用意してくれたアパートも、共同便所、共同浴室で「独身アパートどくだみ荘」みたいなところでしたけど。
働かせてくれて、住むところまで用意してくれてありがたかったです。ほんと感謝していて、今でも挨拶に伺っています。
――新聞配達はどれくらいしていたのですか。
斎藤 始めて1か月ちょっとで配達から拡張のほうに移ったんです。全国どこでも営業できる、1か月だけのキャンペーンが実施されて。
当時は、3か月契約を取ると歩合が4000円、半年で6000円、1年契約だと8000円だったので、「8000円か、よし。じゃあ100人集めれば80万だな」と考えたんですよ。
そう考えた瞬間に一気に打電ですよ。友達全員に「取ってよ」って。友達って六本木のキャバクラや高級クラブの人たちですよ。僕は六本木を拠点に仕事してたから。
で、「頼むから1年だけ付き合ってくれ。俺、変わりたいから」と頼み込んで、120件ぐらい取ったのかな。
「君、どこの組だったの」飲み屋で出会った自治会の人たちと仲良くなった
――なにかセールストーク的なことは。
斎藤 「社会の勉強になるよ」「店に来る銀座のお偉いさんは、いつも新聞を読んでるんだから。そういうところを見られるぞ」「新聞とか読んでおかないと、いい黒服になれないよ」とか、そんなことを言いましたね。
みんなのおかげで100万円ほど貯められて、世田谷の奥沢に月7万円の部屋を借りたんです。
酒をやめてたんですけど、久々に飲み屋に行ったら、自由が丘の自治会の方たちがいて。僕のことを前から見かけていたらしいんですよ。入れ墨を出しながら新聞配達している姿を。
「君、どこの組だったの」なんて聞かれて、仲良くさせてもらうようになって。部屋を借りる際に、連帯保証人になっていただいたんです。
