3/6ページ目
この記事を1ページ目から読む
ミステリを導入することで女子駅伝が描けた
森山 『ひなたの中継点』の元になった、同じメンバーが登場するけれどミステリではない話があるのですが、みんなつらくて悩んでいて、重すぎて自分でも読み返すのがしんどいんです。走ること自体のハードルが高すぎて、タイムを追求する以前に大きな壁がある、という感じでした。
額賀 私がなかなか女子駅伝の話が書けずにいるのも、理由は多分それですね。駅伝を書くなら競技の素晴らしさを書きたいのに、その手前の話がメインになってしまう。女子スポーツがなかなかフィクションの題材にならないのは、そのジレンマがあるからだと思います。
森山 難しいですよね。ダンスやチアのように華やかなものは見かける気はしますが。
額賀 陸上競技のようにシンプルなスポーツになればなるほど、“女子はシンプルではいられない”という宿命のようなものがあって、それが書き手のハードルになっている。森山さんはミステリを推進力にして読ませるという形でクリアしました。それが女子スポーツをエンタメとして軽やかに書くための一つの方法だったのかもしれないですね。
森山 ミステリは謎が解決することによって、エンタメとしてしっかり終われる感じがありました。
