青春小説に求められる読後感

額賀 スポーツはそれ自体がエンタメなんですから、スポーツ小説はエンタメとして面白くあってほしいですよね。『ひなたの中継点』の最後にはかなりシリアスで重たい部分もありますが、それでも爽やかな気持ちで読み終えることができたのは、書き手にかなりの筆力があるからだと思いました。

森山 ありがとうございます。そう言っていただけて、すごく嬉しいです!

額賀 最後の一文がとても好きで、ネタバレになるので実際に読んで確かめていただきたいのですが、あるのとないのとでは読後の余韻がまったく変わる、良い締め方だなと青春ものの小説を書く人間として思いました。

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森山 青春小説は締めが大事だと思います。登場人物を爽やかに送り出してあげたいという気持ちが強くありました。

額賀 10代の子たちの話の場合、エンディング以降の人生のほうが圧倒的に長いわけですから、この子たちはこのあと良い人生を歩んでいくんだな、と思える終わり方であってほしいですよね。とくに私はここ数年、児童書も書いているので主人公と同世代の子が読むことを考えてしまうんです。たとえば夜寝る前に読み終えて、次の日に学校に行くその子に、どんな気持ちになってほしいかを考えると、ハッピーエンドでなくてもいいから、先に希望があることが分かるラストであってほしいと思います。その点で『ひなたの中継点』は、きっと読者の方も安心して本を閉じられると思います。