小児がんなどの病気と闘う子どもに付き添う親たちへ、温かい手作りスープとおむすびを届けるキッチンカー「fufufu-soup」。この活動を続けるのは、青木佑太さん(43)と麻純さん(40)夫妻だ。

 青木夫妻は、病気の子どもの「きょうだい」を対象とした遊び場「ヤマアソビKIDSCLUB」の運営や、亡くなった大切な人へ想いを届けるスカイランタンを用いたグリーフケア(遺族の心の回復を支えるケア)などのイベントも開催。群馬県を拠点に多岐にわたる活動を展開している。

 彼らの行動力の原点は、「前駆B細胞急性リンパ性白血病」を患い、2019年10月11日に4歳で天国へと旅立った長男・一馬(かずま)くんとの日々だ。生前の一馬くんはどんな子どもだったのか。どのような経緯で病気が発覚したのか。ご夫婦にこれまでの歩みを聞いた。(全6回の1回目/2回目に続く)

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青木佑太さんと麻純さん夫妻 ©石川啓次/文藝春秋

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ハネムーン・ベイビーで授かった一馬くん

――お二人は、どのように知り合ったのでしょう。

青木佑太さん(以下、佑太) お互い30歳前後の時に出会いました。中学時代のバスケ部の先輩に誘われた、いわゆる合コンでした。「お酒を作る係として、飲まなくていいから」って呼ばれて。完全にモブ的な役割で参加したんです。

青木麻純さん(以下、麻純) 当時は地方の銀行に勤めていて、私の5歳上の姉に誘われて参加しました。スーツの人ばかりのなか、彼は志茂田景樹さんばりの、カラフルな短パンにレギンスを合わせて、変な帽子を被ってきたんです。なんか、逆に興味を持ちました。

佑太 僕は彼女を見た瞬間、「どタイプだ」と。その日は友人そっちのけで、彼女の横でアプローチしました。ただその時は作業療法士の国家試験前だったので、進展はなく。試験に合格して働き始めた頃に、交際が始まりました。

――2014年に結婚されて、すぐに一馬くんを授かったそうですね。

佑太 一馬は、ハネムーン・ベイビーなんです。

麻純 うん、びっくりしたよね。私は良性の卵巣腫瘍の手術をしていて、「妊娠しづらいと思う」と言われていました。でも、ハワイへ新婚旅行に行った時のたった1回で授かって。

 

「あ、私が赤ちゃんの頃にそっくり」出産時には感動で涙が…

――2015年1月26日に一馬くんを出産されました。抱きかかえた瞬間のことは覚えていますか。

麻純 感動で涙が出ましたね。髪の毛が海苔みたいにびっちり生えていて。「あ、私が赤ちゃんの頃にそっくり」って思いました。

――ご家族も喜んだのではないですか?

麻純 私は両親を亡くしてて、大学生の頃に母が亡くなり、社会人になってから父が亡くなったんです。だから祖母が親代わりで、姉や義理のお母さんだけでなく、祖母も子育てをすごくサポートしてくれました。

 祖母は、自分の口で食べ物を噛み砕いて離乳食みたいにして食べさせようとしたことがあって。

佑太 そんなこともあったね。僕も最初見た時は驚いて「ちょっと待ってぇ!」って叫びました(笑)。一馬も、おばあちゃんが大好きで。