整体院のモデル募集という嘘で21歳の女子大生を呼び出し、惨殺した元服役囚の男。前編では驚愕の自首劇と助手席に残された凄惨な遺体の真相を追ったが、なぜ男は死後に遺体をズタズタに切り刻んだのか。

 その陰には、男の中に芽生えた「恐ろしい欲望」が存在していた。裁判で明かされたのは、性犯罪を繰り返してきた「前科9犯」の異質な素顔と、「被害者が両親に連絡してと言っているように見えた」という身勝手極まる弁明だった。

 遺族が涙ながらに訴えるなか下された判決とは? なお、プライバシー保護のため、登場人物はすべて仮名である。(全2回の2回目)

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写真はイメージ ©getty

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モデル事務所に片っ端から電話

 最初は10代前半の女性を希望し、「整体院で身長が伸びる研究をしている。成長期の女の子の足を撮影したい」などという口実で電話をかけていたが、未成年者は保護者の立ち会いが必要になることが分かると、成人女性にターゲットを変えた。

 西森は出版社に「モデル事務所を教えてほしい」と電話をかけたり、ネットでモデル事務所の連絡先を調べ、12社ぐらいに派遣を依頼したが、第三者の立ち会いを条件に出されると、「撮影の気が散る」「自分の技術を盗まれたくない」「施術室が狭い」などと言って頑なにそれを拒み、ようやく単独で出張してくれるところを見つけ出した。それがA子さんの在籍するモデル事務所だった。

「顔マッサージのメニュー表を作りたい。予算は2万~3万円。撮影は2時間ほどでいい。ビジュアルのいい若い女の子を頼む」

 担当者はA子さんを含む4人のモデルをピックアップしてリストを送り、事件前日に西森から「A子さんでお願いしたい。午後2時に駅まで迎えに行く」という連絡を受けた。