落ち着いて寿司を食べられるのか……?
「バスの中で回転寿司」という話題性もさることながら、ネタにコストをかけているため、寿司もしっかり楽しめる。
SUSHI BUSは寿司を食べ放題にしているものの、景色を眺める時間も多く、1人当たりの食べる量は多くないと想定。運営会社・SUSHI BUSの矢野智之社長によると、原価率を極限まで上げて満足感を上げたとのこと。1貫に乗せるネタの量を一般的なものよりも多く設定しているため、確かにズシッと食べごたえがある。
なお、70分間にわたる走行中に揺れはほとんどなく、レーンで回転中の寿司がズレるようなこともなかった。バス運転の技術を磨くためにコンテストまで開催しているWILLERグループと協業していることもあって、急ブレーキや旋回をうまく避けながらの運転は快適そのものであった。
SUSHI BUSは回転寿司だけでなく、「乗り心地が良く、他にない景色を見渡せる遊覧バス」というアクティビティ体験がベースにあるからこそ、他にないオンリーワンの体験商品となっている。
なぜ前代未聞の取り組みを始めたのか
それにしても何故、観光バスに回転寿司を掛け合わせるという前代未聞の取り組みを始めたのか。
まず、SUSHI BUSのベースとなっているのは車内に厨房を兼ね備えた「レストランバス」だ。協業関係にあるWILLERグループ(WILLER ACROSS株式会社)が2016年から手がけているものである。「バス車内での飲食店営業の認可」「狭い厨房での料理提供」「乗客が静かにコース料理を楽しめる程度に揺れない運転技術」といったノウハウは、ここからきている。
問題は、なぜここに寿司を合わせたのか。当たり前だがSUSHI BUSがメインターゲットとして狙っているのは、年間4000万人にもおよぶインバウンド観光客だ。とはいえ、寿司も外国人に人気な一方で他に天ぷらやすき焼きといった和食はいくつも存在している。
寿司以外のすき焼き・天ぷらなどの和食は候補に上がらなかったのか? 矢野社長は「回転寿司一択でした」と答え、2つの理由を挙げた。

