セックス大国ギリシャに学ぶ
年間平均164回、つまり2日に1回の割合でセックスをしているのは、ギリシャである。国家が破綻しかかっているギリシャには、日本のような社会的閉塞感から来る性欲減退はないのだろうか。
ギリシャ政府の関係者に聞いてみると、意外な答えが返ってきた。
「もともと性にはおおらかな民族ではあるのですが、実は見栄っ張りな国民性があります。セックスの回数調査をされると、多めに言っていると考えられます。例えば、年輩の人は老人と呼ばれることを嫌がり、『わしゃ、まだ現役の男だ!』と怒り、“男”であることを強調しがちなんです」
セックスの回数を聞かれると、控えめに答えがちな“隠す”文化の日本人とは正反対のようだ。また、ギリシャは11月から春までは嵐と雨が多く、家にこもりがちな季節となる。
「他に楽しみもないし、セックスをする機会は確かに増えますね」と、地元の旅行業者は言っていた。
性欲は社会のバロメーター
要は、価値観の転換が必要なのではないだろうか。ルーティンセックスを自然に楽しむ“ギリシャ化”も、不況下の一つの生き方だろう。前出の竹越院長は「日本人はカネを稼いで、夫婦でハワイに遊びに行くことだけがクオリティ・オブ・ライフではない」と言う。
「セックスで男女の距離が狭まり、親密さや信頼が増すというのは、通俗的な話ではありません。温かい肌の触れあいにより、オキシトシンというホルモンの濃度が高まることが科学的に実証されています。
オキシトシンは、愛情ホルモンとか安らぎホルモンと呼ばれ、愛情や信頼といった感情を呼び起こします。私の臨床経験からも、EDの克服で夫婦関係が修復したケースは少なくないのです」
社会的内向性がさらに高まるのか、あるいは愛情に溢れた社会になるのか。性欲が一つのバロメーターのようだ。
次回は「本当に効く精力剤」に迫る
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