国の対応は時代錯誤だ
しかし、少しずつではあるが、世間では性的指向や性自認をまともに取り上げるドラマや報道が増え、認識が広まりつつある。本来であれば国は、そういった社会の変化を敏感に感じ、国民の幸せの再定義のために先頭をきって理解を広め、制度の改革を推進していくべきだろう。ところがそこで、「想定されていない」発言を繰り返してしまう。世間との意識のギャップはあまりにも著しく、時代錯誤で、そして僕から言わせれば無様だ。
これからも裁判は続いていく。読者の皆さんも、これからも国側が「想定しない」を繰り返すのか、判決をくだす裁判所が勇気ある一歩を踏み出してくれるのか、注目していてほしいと思う。
4年間にわたる「人権救済申立」に進展が
そして、この記事を執筆中、僕の元に嬉しいニュースが舞い込んできた。
僕ら夫夫(ふうふ)は、婚姻届が不受理になった際に日弁連に対し人権救済申立てをしていた。
申立ての内容は簡単で、婚姻が認められないのは「法の下の平等」や「幸福追求権」に反していて「人権侵害」だ。だから何とかしてください。ということを、日弁連に対し申立てをしていたのだ。4年間にわたり、申立人への聞き取り調査などが行われ、今回その件で大きな進展があったのだ。
日弁連は、
「同性婚を認めないことは、憲法13条、憲法14条に反する重大な人権侵害であると評価せざるを得ないこと、及び憲法24条は同性婚を法律で認めることを禁止する趣旨とは考えられないことに照らせば、我が国は、速やかに同性婚を認め、これに関連する法令の改正をすべき」
と結論づけ、国に対し、ついに、同性婚を認めこれに関連する法令の改正を速やかに行うべきであるとの意見書を出したのだ。
この意見書は、正式に法務大臣、内閣総理大臣、衆議院議長、参議院議長に届けられている。
この意見書が裁判の行方によい影響を与えていくことを、心から願っている。